ザ・万歩計

ザ・万歩計 (文春文庫)

　ひさびさに本を紹介してみようと思う。前から読了している万城目氏の本で、鴨川ホルモーではない。それがこの「ザ・万歩計」。2008年に単行本として出されたものが、昨年に文庫化されたもの。内容はエッセイ集。

　文調が読みやすく個人的には心地よくすら感じるもので、何より関西に関するネタが多いのも楽しい。個人的には噛みまくるコミュニティFMが何処か気になる。中でも"篤史 MY LOVE"の項は、楽しくて仕方ない。自分でも一度はやってみたい『渡辺篤史ごっこ』。

　こういうエッセイ集が僕は個人的に好きだ。何よりふとその場面が想像出来て、笑えたり、しんみりと感傷に浸れたり、喜怒哀楽が共感出来る作品が多いからだ。ましてや関西がネタになっていれば、尚更の事。何度も繰り返し読んでしまうエッセイ集は個人的には秀逸な作品だと思う。変な小説や提言書より価値があると思う。