御粥祭


 小正月である一月十五日。朝から下鴨さんにお参りに行ってました。理由は御粥祭が行われるためです。小正月に小豆粥(あずのおかいさん)と大豆粥を神前に献じます。そして、我々はお粥さんに鏡割りをしたお餅を入れて食べることで邪気を祓うと言う訳です。

 古来よりこの粥は餅がゆ(望がゆ)と呼ばれており、その風習は枕草子にも綴られています。

 十五日、節供まゐり据ゑ、粥の木ひき隠して、家の御達(ごたち)、女房などのうかがふを、打たれじと用意して、常に後を心づかひしたるけしきも、いとをかしきに、いかにしたるにかあらむ、打ちあてたるは、いみじう興ありてうち笑ひたるは、いとはえばえし。ねたしと思ひたるもことわりなり。
枕草子 第二段ー

 ここに綴られているのは小正月の小豆粥を出したあと、女房たちがお粥を炊いた薪でお互いのお尻を打とうとして、隙を狙って遊んでいる様子を綴っています。これは小豆粥を炊いた薪で女性の尻を叩くと男子が生まれるという風習から。この風習は『嫁叩き』と呼ばれ、現在でも各地に風習は残っています。


 本殿での神事にて、五穀豊穣・国家国民安泰を願いお野菜と共に小豆粥、大豆粥が献じられ、滞り無く神事が御斎行されたの後、楼門前におきましても一般の方にも小豆粥が接待されました。私ももちろん美味しくいただきました。