お香と生活

 近年では、アロマとして使われてきたお香。特に数年前にはヒーリング系として、重宝されていたように記憶します。お香の香りというのは、日本らしくほのかに控えめに漂いながらも、気持ちを和らげているように感じます。日本では特に古くから使われていただけあり、風習的にも使われることが多くあります。現在、うちでは忌籠りでもありますので、祭壇には巻き線香に煙を静かに漂わせています。最近では、家庭の状況に併せて色々と種類があるようです。例えば、煙の少ない・普通だけでも値段も違います。最近は、香りの違いもあるようです。宗教的にも多く用いられております(特に仏事)ので、日本人に取って身近なものであります。

 香の物として使われる場合としては、防虫剤として桐箪笥に忍ばしておくことや匂袋にも用いられています。時折、季節を感じていただく為にお手紙に一緒に添える文香も良き例だと思います。特に防虫で使われる場合には、衣服などに香りを移すというのも昔から行われていたことであります。そして、もう一つの使われ方としては、時間の長さを測るという性質もあります。さきほど申しました祭壇用の巻き線香の場合は、約12時間を目安に作られています。また、お茶屋さんでもお線香は時間を計るのに使われていました。だいたい1本のお線香で15分であったと記憶しています。それで、席料を計算していました。(現在は、行っているかどうか分かりませんが。)

 それにしても、ちょっとお香を焚いておくだけで随分と気持ちは違うものであります。気分転換に焚いてみてはいかがでしょうか?