時間を旅する自由な精神を

「君の肉体は過去と未来の分割線である現在を常に動いている。だが君の精神はもっと自由だ。考えるとき、それは現在にある。思い出すとき、それは過去にある。想像するとき、それは未来に、あらゆる可能な未来のうちから君の選んだ未来にある。君の精神は時間を旅行することができるのだ。」
-『「知」のネットワーク 時代を変える7つのキーワード』大前 研一著 -

 この部分は、本書の冒頭で綴られていることばです。M・A・ヒューギの『機械ねずみ』という小説の一節に出てくるそうです。確かにここに書かれていることは、我々の時間的な側面から定義(若しくは、アプローチといったほうがよいでしょうか)するに、非常に注目すべき点であると思います。

 ここでの論点は『未来を創造することで可能性を広げていく』という点です。我々は"未来"を創造することで、そこへ向かって様々なモノやコト、考えなどを構築しています。この構築という過程で修正や方向の在り方に対するフィードバックを"現在"へと行うことで、新たな可能性も導くことが可能であるという点には、興味をとても感じます。

 「時間軸」という視点に立ってみますと、未来に対して創造し、現代でいかに行動をしていくかを、過去というアーカイブ(知識)に基づいて考えてゆくという、『時間旅行』をしているように感じます。それはまさに『知の時間旅行』とも言えると思います。

 もう少し『「知」のネットワーク 時代を変える7つのキーワード』を読んで、その時間旅行を深く知ってみたいと思います。