とんど焼き


 節分のお話の前に、以前ご紹介していなかったお話をひとつ。京都だけではありませんが、小正月である一月十五日は「とんど焼き」の日でありました。「とんど焼き」とは、正月に飾った注連縄や門松(京都では根付きの松が多いかな)、古札などを神社に持ち寄って、お役目を終えた飾りや神符を焼納していただく神事です。

 一方で同じように行う神事に「左義長」という神事があります。その由来は「打毬(だきゅう)」と呼ばれる宮中の遊びが元となっていると言われています(西洋ではポロとして伝わっています)。この打毬で用いられるマレット(スティックのこと)が『毬杖(ぎっちょう)』であり、これを三つ束ねて、焼納したのが三毬杖(さぎちょう)であり、そこから由来しているといわれています。後に陰陽師により、青竹の束に扇や短冊を飾って燃やし、五穀豊穣を祈願し、その年の豊作を占う儀式へとなっていったようです。

 上記の写真は、山科の花山稲荷神社で行われた「小正月祭(とんど焼き)」です。神前での奉告祭の後、拝殿にて伊勢太神楽の獅子舞が御奉納されます。そして、斎場にて神職祝詞を奏し、この前においても獅子舞が奉納されます。


 こちらがその獅子舞の様子。なかなか生で伊勢太神楽の獅子舞を拝見する事はありません。迫力のある舞が続きます。


 そして、忌火を持って、火を付けて焼納します。京都では、この小正月の神事を終えると、正月気分からひと段落し、普段の生活に戻る事が出来ると言えると思います。実際に関西では松の内は十五日までと言われるのは、このとんどや左義長が終えるまでが松の内なのです。

 ちなみに私の田舎でもとんどを行いました。但し、早朝に行われるので毎年私は不参加ですけどね...w

(追記)

 神事終了後にお善哉をいただきました。美味しゅうございました。