JET STREAM

 以前にも紹介したかもしれないが、もう一度ここで紹介をしておこうと思う。現在でも、FM東京から放送されている長寿番組JET STREAM。Mon-Friの深夜0時の夜の深い時間に心地よい音楽を届けている。先日、e_mukkuの飛行機からの遠い地平線に沈む夕焼けの様子の写真を見て、ふとJET STREAMの音楽がイメージに浮かんできた。

 現在は、この4月より大沢たかおさんがパーソナリティを務められているが、その初代を"城達也"氏が務められていた。毎回、心にゆったりとした安らぎをもたらす名台詞と名曲が番組を構成していた。そして、おなじみ名台詞のオープニングナレーションがとても心に残っている。そのナレーションをご紹介したいと思う。

-JET STREAM Opening -



遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
はるか雲海の上を 音もなく流れ去る気流は、
たゆみない宇宙の営みを告げています。


満点の星をいただく、はてしない光の海を
ゆたかに流れゆく風に 心を開けば、
きらめく星座の物語も聞こえてくる 
夜の静寂(しじま)の なんと饒舌なことでしょうか。


光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼(まぶた)に浮かんでまいります。


日本航空があなたにお送りする音楽の定期便
ジェットストリーム


皆様の夜間飛行のお供を致しますパイロットは
私、城達也です。

-TOKYO FM "JET STREAM" Opening -

 この番組は1967年7月3日から始まっており、スポンサーもJAL日本航空)が一社で提供していた。スクリプト放送作家の堀内茂男氏が作成し、先ほどの名台詞を作成したのも堀内氏である。Opening No.にはFranck Pourcel Grand Orchestraの『Mr. Lonely』が使われており、現在でも使用されている。そして、その初代パーソナリティを務められていたのが、"城達也"氏であった。1967年より1994年まで務められたが、食道癌により降板され、その翌年死去。

 この番組は、旅愁を感じさせるコンセプトから番組パーソナリティは機長という位置づけであるため、城氏は番組に望まれるときは必ずスーツを着て、スタジオの照明を暗くして臨んでいたといわれている。また、そのイメージを壊さないためにも、テレビの出演は一切なかったという徹底ぶりであったこともまた有名。

 この番組コンセプトや音楽の雰囲気が、e_mukkuの写真のイメージから、ふと心に浮かんだ。