水無月

いよいよ水無月である。蒸し暑いというイメージが強い。というか、京都は蒸し暑いだけでは表現する事は出来ないだろう。湿気の多い、なんとも過ごし辛い季節なのである。しかし、その反面、風情のある光景が見られる。それが「蛍」である。

京都には自然に近い森や清流が多数あるため、「蛍が多く飛び違ひたる」のである。先日の風の便りで、琵琶湖第二分水流に蛍が飛び交っている様子が見られたと聞いた。今年は少し早いのではあるが、そんな季節をもう気がつかない間にむかえていたのである。ここしばらくは忙しさにかまけて、不摂生がたたり、少々喉に痛みを覚える。扁桃腺が腫れているのだろうか…なんとも情けないことである。季節の変わり目であるからこそ、体調には十分に留意しなければならない。

さて、ここしばらくは意味のない会話をしていないように思う。もちろん、いろいろとおしゃべりをすることは楽しい事が多い。しかし、初めて会う相手やお客さまとして迎える相手と会う時以外は、それほど、修飾するような行動は取らなくていい訳だから、むしろあまり話をする事はない。例外として、道端にて思いついたときに「そうかっ!」と声を上げた事はあったが。自分の意思を伝える時は、伝えるし、焦っている時や少し自身の精神が昂ぶるときは、何かを隠そうと矢継ぎ早な会話になることが時折ある。何を焦っているのだろうという冷静な自分を横手に話をしている自分は、修飾していて滑稽に映る…

いずれにしても、水無月は自身にとてもゆかりが深いので、ゆったりと落ち着いて、この季節の変わり目を過ごしていきたい。