本屋にて。

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

 いつも、いきつけの書店に何気なく立ち寄っていると、色々な発見がある。『あっ!こういう作品もあるのか』とか『ん?これなんのことやろ?』とピンキリで色んな本がある。

 私は大抵の場合、買うのは雑誌か新書か文庫。なかなか単行本にまでは手が届かない。理由は非常に幅を取るからである。普段でも、鞄の中には最低1冊、多い時は5冊の本を持ち歩いている。そして、道すがらバスに乗る時やカフェでお茶をする時、作業に取りかかる前にちょっと読んだりと小さな時間を見つけては読むといった事をしているため、どうしてもポータブルなサイズの書籍しか、持ち運ぶのが大変になってしまう。

 そんな中、先日いきつけの書店に行くと、ふと森見登美彦氏の作品『恋文の技術』が文庫本化されていた。少しだけ立ち読みをさせていただいたら、近年では珍しい書簡体で綴られているとても面白そうな作品だったので、購入させていただいた。書簡体で書かれている小説は、非常に読むのが難しい作品だと個人的に思っている。私が読んだ書簡体の作品で一番印象的だったのは『若きウェルテルの悩み』である。ゲーテの作品。手紙と手紙の間に独特の間があり、その部分には様々なイメージを膨らませる意味において、とても深い作品だった。

 さて話は戻るが、この『恋文の技術』をレジに差し出すと受付のお姉さんが、別の所からビニルに包まれた『恋文の技術』をわざわざ持ってきてくださった。最初、レジを離れていかれた時「何だろう?急に職場放棄か?」とも思ってしまったが、戻って来られたら、本を持っていたので何だろうと思っていたが....

 わざわざ持ってきてくださった嬉しいモノは、この本だった。

 私が購入した森見氏の文庫本は、すべてこの書店で購入していたので、それを覚えていてくれていたのだろう。思わず嬉しくなって、もう一冊買おうかとも思ったが、持ち合わせがなかったので、やめておいた。

 という訳で、大事に飾るサイン本が我が家へとやってきたので、現在、丁寧にちょこちょこと読み進めている所である。